引き直し計算
引き直し計算とは、高金利で計算されてきた履歴を見直し、金利を引き下げて再計算することによって、借金を減額することである。また、過払いにおいては利息制限法で許された範囲で利息を返済したものと仮定して、債務者の立場で借金の残額を計算し直すことをいう。
従来、債務者との間で貸金業者が定めた借金の利率は、利息制限法で認められている利率より高いものであることが一般的であったため、適法な利率で計算し直すと、債務者は本来支払わなければならなかった分を超えた金額を貸金業者に支払っていたということになる。この払いすぎた部分を元金にあてると、業者の計算よりも債務額は減少する。これを利息制限法による引き直し計算と言う。また、過払いで返済対象となるのは、この、引き直し計算後の借金残額となる。
弁護士が債務整理を開始する場合、意思表示として受任通知をクレジット業者や貸金業者などの債権者に発送するとき、併せて書面で過去の取引履歴を開示するように請求する。しばらくすると、各業者から弁護士に、過去の1回1回の借り入れと返済の記録が記載された取引履歴の書面が送られてくる。弁護士は、この取引履歴を基礎情報として、引き直し計算をする。