過失相殺
過失相殺とは、交通事故の発生に対して被害者にも過失があったような場合に、被害者に発生した損害の過失割合につき、賠償責任を減額することを言います。交通事故の発生について加害者側にすべての責任があることは少数で、被害者に過失がないのは信号無視やセンターラインのオーバーなどの場合です。
このようなケースでは、過失割合に従い損害賠償額も過失相殺されます。被害者の全体の損害額が500万円で、被害者の過失割合が20%と認定された場合は、被害者は加害者に400万円請求できますが、この割合によっては被害者の過失割合が賠償額に大きな影響を与えます。被害者の過失がない事故が起きた場合は、過失相殺はなされません。過失割合の考え方は基本的に、交通規則を守っている車と守っていない車であれば、交通法規を守っていない車の側が過失割合は大きくなります。
また大型車、小型車や車の種類や自転車、歩行者では立場の強いものほど過失割合は大きくなります。実務上は、交通事故の過失割合は、多くの裁判例の蓄積で、交通事故の類型に応じ、ある程度は定型的に考えられています。
過去の事例を整理したものとして「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 別冊判例タイムズ」があります。