遷延性意識障害
遷延性意識障害とは、交通事故などによる傷害のため、植物状態とも言われる重度の昏睡状態のことである。
日本脳神経外科学会では、治療にも関わらず以下の6項目が3か月以上続いた場合を遷延性意識障害としている。
- 自力での移動が不可能である。
- 自力での食事が不可能である。
- 糞尿の失禁がある。
- 声を出しても意味のある発語ができない。
- 簡単な指示には辛うじて従うことができるが、意思の疎通はほぼ不可能である。
- 眼球は動いていても、認識することはできない。
遷延性意識障害の場合、最重篤の後遺障害として後遺障害等級第1級が認定されることがほとんどである。
遷延性意識障害は、自宅の改造や長期にわたる介護など大きな金銭的負担を伴う後遺障害であり、常時介護を余儀なくされる家族の肉体的・精神的負担は甚大である。そのため、近親者の慰謝料も請求することができる。
被害者は自身で弁護士に依頼することや、示談交渉等を行うことができないため、成年後見の申立てを行い、後見人を立てる必要がある。